いつもの健康が、特別な日の笑顔をつくる。

  • 内科
  • 糖尿病内科
  • 消化器内科
  • 肝臓内科
Case
病気から探す

潰瘍性大腸炎・クローン病

炎症性腸疾患とは?

「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」

炎症性腸疾患は様々ありますが、特に代表として知られているのが「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」です。
主に免疫の異常が関連して起こると考えられていますが、はっきりとした原因は未だにわかっておらず、厚生労働省の難病指定を受けています。

疾患の特徴は、両疾患ともに消化管が慢性的に炎症状態となり、症状が目立つ活動期と症状が落ち着いている寛解期を繰り返すことです。
一方、両疾患の違いとして、炎症が起こる部位が挙げられます。
潰瘍性大腸炎の場合、炎症部位が大腸にとどまり、大腸粘膜上でびらんや浅い炎症を起こします。
クローン病の場合、病変が口から肛門までの全消化管領域におよび、炎症が深部に到達する傾向にあります。
クローン病では栄養障害を併発することが多いため、栄養療法が必要になることもあり、治療方法にも違いが出てきます。

適切な治療により問題なく生活することが可能

潰瘍性大腸炎もクローン病も、若い世代での発症例が多く報告されていますが、高齢者を含めた幅広い年齢層での発症が認められています。
炎症性腸疾患は重篤な疾患であるイメージが先行していますが、炎症をきちんと鎮めて、寛解期にも予防的な治療を継続することで、発症前と何ら変わらない日常生活を送ることが可能です。
ただし、寛解期においても適切な治療を続けていかないと、悪化してぶり返してしまう恐れがあります。
そのため、症状がない期間でも定期的に受診していただくことが非常に重要となります。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎の主な症状

潰瘍性大腸炎の症状は、まず下痢から始まり、血便、腹痛などに発展することが多いです。
病状が進行していくと発熱、急激な体重減少、貧血症状なども起こります。
この時点で異常を感じて受診されるケースが多いです。
また、腸の変化以外にも、皮膚や目、関節に合併症が出るケースもあります。

特に成長段階にある子供が炎症性腸疾患にかかると、栄養障害から成長障害に繋がる恐れがあるため、早期の診断と治療開始が必要になります。

潰瘍性大腸炎の原因

はっきりとした原因はまだ特定されていません。
これまでの研究では、腸内細菌や食生活の乱れなど、様々な要因によって免疫が異常をきたし、自己免疫反応の異常で炎症が生じると考えられています。

潰瘍性大腸炎と大腸がんの関係

潰瘍性大腸炎の方は必ず大腸がんになるというわけではありませんが、潰瘍性大腸炎の全腸型では慢性的な炎症が続くために、10年以上経過すると大腸がんのリスクが高まることがわかっています。
大腸がんを早期発見し、適切な治療を行うためにも、定期的な大腸カメラ検査は必要不可欠となります。

潰瘍性大腸炎の治療

潰瘍性大腸炎の治療目標は完治ではなく、長期間寛解状態を維持することにあります。
炎症を抑える薬剤を服用し続け、寛解期を保ち続けていくことで、発症前と同様の日常生活を送ることも可能となります。
重要なことは状態をしっかり把握したうえで、適切な治療を続けることです。

稀に外科的処置が必要となる場合があります。
外科的処置が必要になるケースは、潰瘍化して出血多量な場合、腸の壁に穴が開いている場合、ガスのせいで中毒になる巨大結腸症が疑わしい場合、大腸癌の場合などです。
また、炎症が強すぎてステロイドの適応とならない場合にも、手術療法が検討されます。

クローン病

クローン病の主な症状

クローン病の主な症状として、腹痛、下痢、下血・血便などがあります。
腸閉塞を併発している場合には、激しい痛みをともなうケースもあります。
クローン病は消化管全域に病変が達することあり、発熱や栄養失調による体重減少も特徴的な症状の1つです。
合併症として、胆石、尿路結石、皮膚炎、目の異常、関節炎などが生じる可能性があります。

クローン病の原因

クローン病の原因は解明されていませんが、免疫異常が関連しているのではないかと言われています。
また、食事の影響、病原体・ウイルスの侵入、遺伝的要因が関連しているのではないかとの指摘もあります。

クローン病の診断

他の疾患と鑑別するために、次のような検査を行います。

血液検査(採血)

採血によって炎症反応と栄養状態を調べます。

便検査(便潜血検査)

便潜血の有無の確認、感染性腸疾患との鑑別を行います。

エコー検査

エコーによって特徴的な病変の有無を調べます。

消化管造影CT、大腸カメラ検査

確定診断のためには、消化管造影CTや大腸カメラ検査が必要です。
大腸カメラ検査の際には、病変部位の組織を切り取り、病理検査も同時に行います。

クローン病の治療

潰瘍性大腸炎と同様に、完治を目標とするのではなく、長期的な寛解状態を維持することを目標としています。
クローン病は特に栄養失調をきたしやすいので、栄養療法も重要な治療となります。
クローン病の人が食べられる食材は個人差が大きく、合わないものを食べると病状が悪化する可能性があります。
なので、食べても問題ない食材を見つけて、悪化させる食材をリストアップする必要があります。
食事に制限があるので、栄養が偏らないように、食事内容を管理することが重要となります。

栄養療法

栄養療法には、「経腸栄養法」と「完全中心静脈栄養法」の2つがあります。
できる限り腸を使って栄養を摂ることが求められますが、消化管の炎症が広範囲に広がっていたり、狭窄が強かったりする場合には、完全中心静脈栄養法が選択され、カテーテルで静脈から栄養を注入します。
経腸栄養法では、個々の患者様の状態に合わせて、脂肪分がほぼない成分栄養、少量のタンパク質と脂肪を含んだ消化態栄養、カゼインやソイプロテインを含む半消化態栄養などが用いられます。

薬物療法

基本的に抗炎症作用を持つお薬を使用します。
炎症期だけでなく、寛解期にも続けることで、安定状態を保ち続けることが可能になります。